朝起きて朝食を食べる習慣は、一日の始まりから胃腸を刺激して排便のリズムを整える為、便秘の予防や改善をする良い習慣なのですが、忙しくてなかなか朝食を作る時間が取れないという方も多いと思います。
そんな便秘の予防や改善はしたいけど、忙しいという方には朝食にリンゴを食べる事をお勧めします。りんごにはリンゴ酸とアップルペクチンという成分が含まれており、腸内環境を整える効果があります。
リンゴ酸には高いph調整作用があり、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌だけを減らして善玉菌が優位な環境を作ります。
アップルペクチンは水溶性食物繊維で、便の体積を増やし水分を含んだ柔らかいものにする効果があり、大腸を刺激して排便を促しやすくします。
そのまま食べても手間が掛からなくていいのですが、一口サイズに切ったものをヨーグルトに混ぜて食べるのがお勧めです。それだけだと物足りないという人は、さらにシリアルを混ぜて食べるのも食べごたえがあっていいと思います。
また、りんごの皮には果肉よりも多くのアップルペクチンを含んでいるので、皮ごと食べるようにすれば、さらに便秘の予防と改善に効果があります。
こうした食べ方ならば調理時間も掛からず、さっと食べる事ができるので、「便秘」は何とかしたいけど忙しいと言う方にピッタリの朝食ではないでしょうか。
便秘の症状に合った食物繊維を摂ろう
便秘の改善に食物繊維が良いとされているのは多くの方がご存じだと思いますが、食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の二種類がある事はご存じでしたでしょうか? それぞれ性質や便秘のタイプによって効果的なものの違いがあるのでご紹介します。
水溶性食物繊維は体の中に入ると溶けてゼリーの様な状態になり、小腸で栄養素が消化吸収されるスピードを緩やかにし、体に不必要な成分の吸収を抑え、有害物質などを吸着して体外へ排出する性質があり、りんごやみかんなどの果物、キャベツ、大根、昆布やワカメなどの海藻類に多く含まれます。
ストレスなどがきっかけで便秘と下痢を繰り返し、コロコロとした便が出る痙攣性便秘の方は、腸を刺激しすぎない水溶性食物繊維を摂取したほうが症状の改善に効果があります。
不溶性食物繊維は、体のなかに入っても溶けずに、水分を吸収し膨張する為、便の量を増やし腸を刺激してぜんどう運動を活発にし排泄を促す性質があり、ゴボウ、タケノコ、豆類、きのこ類、などに多く含まれます。
腹圧が弱く、便の回数が少ない方や、腸の機能が低下している高齢者など、弛緩性便秘の方は便の量を増やし腸を刺激する不溶性食物繊維の摂取が良いでしょう。